サトセリの『ケセラセラ英会話』のススメ【第1回】

サトセリの『ケセラセラ英会話』のススメ【第1回】 英会話コラム

英会話に必要なのは“愛”!
イギリス生活で学んだ文化の壁の越え方

はじめまして。
当コラムを担当することになりました、佐藤世莉(サトセリ)です。
私はイギリス在住で、4人の子供を育てる傍ら、フリーランスのライターとして活動しています。

今回は初めてということもあり、自己紹介も兼ねて「英会話の役割」をテーマに取り上げます。

イギリスに来た当時の私は、超がつくほど英会話が苦手でした。加えて、人と話すよりも活字を読む方が好きというやや内向的な性格です。そんな私でも、イギリスで長く生活していくうちに英語で普通に会話ができるようになりました。

その時気づいたことがあるのですが、当時を振り返りながらお伝えします。

 

ブリティッシュイングリッシュ(イギリス英語)が分からなすぎる!

私が渡英したのは、1999年9月。4年間の大学留学が目的です。

実は渡英前にワーキングホリデーでニュージーランドに半年ほど滞在したことがあります。

現地の人に「イギリスに留学する」と話すと、決まって「うちらの英語はブリティッシュアクセントだから、イギリスに行っても大丈夫だよ!」と、誇らしげに言われました。

なので、イギリスに行っても「とりあえず簡単な会話なら聞き取れるだろう」と、心配はしていなかったのですが…
到着してみるとびっくり。ブリティッシュイングリッシュが全く耳に入ってきません!

「やばい」。

焦りが緊張に変わり、それが入国審査でピークに達しました。入国審査の列が短くなるたびに心臓のバクバクが高まります。また、「うまく答えられなかったら入国できないかもしれない」というふうに、ネガティブなことで頭がいっぱいに。

あと一人で私の番という時に、「聞き取れなかったら、“I love The Beatles!” で押し切ろう」と、腹をくくりました(実際にビートルズにハマった時期があり、イギリス愛を深めた理由の一つなのでウソではありません)。

そして、いよいよ私の番がやってきました!

頭の中が真っ白になり、しどろもどろでやっと答えるという情けなさ。

最後に「なぜイギリスに留学しようと思ったの?」と聞かれたような気がしたので、“I love The Beatles!” と、力を込めて言ってしまいました。

そうすると、審査官はにっこりと笑い、ポンと入国許可のスタンプを押してくれたのでした。
これが、私のイギリス初日の恥ずかしい思い出です。

 

スピーキングよりもライティング! 本音は「英会話に自信がない」

大学時代の私は、ガリ勉そのものでした。

毎回講義を録音してそれを聴いて復習し、辞書を片手に英語の本とにらめっこ。レポートやエッセイの課題が待ったなしでやってくるので、机にかじりついている時間が1日のほとんどを占めていました。英会話は二の次という状態です。

どちらかというと話すことよりも書く方が好きだったので、それを理由に英会話を避けていたのかもしれません。また、どこかで英会話に対する苦手意識があり、特にネイティブとの接触を回避していたと思います(海外留学生とはそれなりに交流していました)。

こんな私でも、毎日同じことを繰り返していると、できないことができるようになります。

英語の本を読む時に辞書を引く回数が減り、エッセイを書く要領も掴んで気持ちに余裕が出てきましたし、以前よりも英語がクリアに聞こえてくるのを感じました。同時に、ネイティブのクラスメイトから話しかけられても以前ほど緊張しなくなり、「英語でコミュニケーションできそう!」と、ワクワクしたのを覚えています。

けれども、その時はすでに大学の最終学年。ネイティブのクラスメイトから話しかけられる機会が増えてきたなあと思ったら、あっという間に卒業式が来てしまいました(笑)。

 

英語で会話できるようになった私は「生まれた時からイギリスに住んでいる人」

大学を卒業してすぐに結婚し、これまでの生活が180度変わりました。

大学時代は日本人の留学生を含めさまざまな国の人が私の周りにいましたし、読む・書くがメインでした。ところが結婚すると、私の周りはネイティブだらけ。そして、主なコミュニケーションの手段は会話です。

英会話に自信がなかったので、最初は人との接触を避けていましたが、子供が生まれるとそうはいきません。「行きたくなくても子供ため」ということが多々ありました。

例えば、イギリスには “Play group” という就学前の子供とママが集まる会があります。子供の成長のためにと連れて行くのですが、会話で盛り上がっているママの横で1人ぽつんといる私というのがいつもの光景でした(笑)。

それでも、親切な人は必ずいるものです。ネイティブのママが私に声をかけてくれたことをきっかけに1人、また1人と話しかけてくれるママが増えました。

私もそれがうれしくて、「今度はこんなことを話そう」「イギリスが好きな気持ちを伝えよう」というふうに、事前に話すことを英語で考えるようになったのです。

正確な時期は忘れましたが、自然に英語で会話できる自分に気づいた時、周りの人は私のことを “生まれた時からイギリスに住んでいる人” として接してくれているというのを実感しました。

 

文化の壁は言葉の壁

イギリスでの生活を通じて気づいたのは、文化の壁を取り除くのは「英語で会話ができる」ということです。

英会話に自信がないことから私はネイティブとの接触を避けていましたし、ネイティブもネイティブで外国人に話しかけることに対して抵抗感を持っています(どのように接していいかわからない)。けれども、こちらが英語を話せることを知ると、急に距離を縮めてきて早口で話し始めます(イギリス人の多くはとても早口です)。

文化の壁は外見ではなく言葉だというのは、自分の子供たちを見ていてもわかります。子供たちの見た目はアジア寄りですが、母国語が英語なので、本人たちもそして周りの人も全く違和感なくお互いを受け入れています。

 

英会話はシンプルに考えるのが一番

日本人はどちらかというと、英会話が苦手といわれますよね。「正しく言おう」「失敗したら恥ずかしい」という気持ちが強いのだと思います。

けれども、ネイティブは私たちが “変な英語” を話すということは承知していますので、正確さにこだわる必要はありません。変な英語を言っても「おそらくこう言いたいんだろうな」と、勝手に解釈してくれます。

英文法の基本型ってありますよね?
S+V+O
S+V+C
など。

慣れないうちは、これに単語を当てはめる感覚で会話すれば大丈夫ですよ。日常生活レベルの英語なら、ほとんどの場合は間に合うと思います。
聞き取れなかったら “Sorry?” さえ知っていればOKです! あのイギリス人が、すごくゆっくりと言い直してくれます。

 

英会話を身につけて楽しみを増やそう

自分の体験を通じて英会話の役割についてお話しました。

英会話で大切なのは、「うまく話そう」「気の利いたことを言おう」と考えるよりも、“愛” を伝えることです。その国に愛情を持ち、その気持を伝えるだけでも相手はこちらに対して好意を持ってくれますし、会話のネタも出てきます。

もし、あなたが英会話に興味を持っているのなら、英会話を身につけて異国の人とコミュニケーションできる楽しみを体験してほしいです。

それではまた次回、お会いしましょう。

 

この記事の執筆者
佐藤世莉(サトセリ)
佐藤世莉(サトセリ)
2018年に活動を開始した英国在住のフリーライター。大学では社会学と国際政治学を専攻。大学院で国際関係学を専攻し、Master of Arts取得。現在、4人の子供を育てる傍ら、日本の大手メディアでの執筆や出版等を行う。
執筆例
2020年7月 イギリスアニメ『ペッパピッグ』の人気の秘密を大解析
2020年10月 Webメディア「融資の窓口」さまにて記事作成を担当
2022年9月 『時短Webライティング術』出版
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